わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとほった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびらうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かはっているのをたびたび見ました。
わたくしは、さふいふきれいなたべものやきものをすきです。
(中略)
けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまひ、あなたのすきとほったほんとうのたべものになることを、どんなにねがふかわかりません。
宮澤賢治 注文の多い料理店「序」より
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