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2010.5.25☆根岸を歩いて

研究生の大西です。先日(5/9)のフィールドワークの感想をやっと書きましたので投稿します。

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頂いた地図を眺めていて、入谷という地名は知っていたけど、下谷という地名がある事を初めて知った。この辺りは、江戸の頃は女性一人で暮らすのはちょっと心細いようなところ、と小説で読んだような気がした。入谷は谷の入口、下谷は谷の底だったのだろうか。
しかし、歩いていると、淋しかったであろう往時の面影は全く無く、もちろん土地の起伏もない。江戸の中心から遠いのが下谷で近いのが入谷だったのか?

いずれにしても賑やかに人々の暮らす雰囲気もスケール感もヒューマンな地域で、そういう地域は歩いていて楽しい。殊に根岸は地図を見ると一目でわかるように、道が複雑に広がっているので、この先、次にどこへ着いて何が現れるのか、ワクワクしながら歩く事ができる。古い町のイメージがあるが、建物そのものはここ20年位の間に建った物の方が多い。そして、時々、角を曲がると突然50年以上は経っているのではないか、と思われるような建物が現れるのがまた面白い。人が思い思いに住み始めた土地は決して碁盤目に区画された町にならないところに、人間の面白さを思う。また、良くある無理な土地分割による旗ざお敷地の通路のようなものが、実は長屋の名残と聞いて、やはり、江戸も町は関東の田舎とは違う、と感心した。
 必ずしも古いものだけで構成されている訳ではない根岸界隈を歩いていると、町の建物を作り、外観から町をつくっていくのが建築に携わる者の役目だとは思うが、町を形成するには、決してそれだけでは完成しないという事をつくづく感じる。そこに住む人達の気持ちも一緒に町をつくっているのだと思う。そして、そんな気にさせるのが、結局は、建築に携わる者の役目かもしれない。例えば根岸であれば、根こそぎ町の空気を変えてしまう建物は作ってはいけない、ということだろうか、等々、考えながら歩いていた。
岸先生も書いておられるが、道(スケール感や曲がり角の在り方)というのは案外重要な要素なので、車本位で道を変えてしまう事はいただけない、という事を改めて思った。
一方、これも岸先生が書いておられるが、道で出会う人は、やはり高齢の方が多く高齢化という言葉を幾度も思い出した。若い世代が住み易い地域に、という課題は、解決方法は全く違うであろうが、この根岸も地方も同じに抱えているようだ。という事は、日本全国の問題でもあり、単に子供が増えれば良い、という単純な問題ではないという事を改めて思う。若い世代が住み継いでいける家とその家の置かれる様々な条件が伴ってこそ、と思うが、果たしてそれは具体的にどういう事か?また、古い木造の建物が軒を連ねている様子に、万が一火事が発生した場合、アッと言う間に延焼してしまうに違いない、という事も思った。古いもので構成された町は魅力的だし、今見直されつつあるが、安全という面ではただ残すだけでは駄目だと感じた。それらの課題を前に、建築の専門家として何をすべきか?結局このフィールドワークの中で、次に取り掛かるべきものは何か、明確に掴めないままである。
最後に、小さな驚き。三ノ輪に着くと「千住」という地名が出てきたのにはビックリした。「千住」とは荒川の傍の、東京のはずれだ、と思っていたので、山の手線にも近い根岸の向こうにつながっているとは思いもしなかった。歩いて回ると、土地と土地のつながりを体感できる事が収穫の1つでもある。そして、その地名が付いた由来、土地と土地を人々がどのように行き交っていたのか想像する事(岸先生の言うところの時間の奥行き)を想像しながら歩くと実に楽しいものである。
  1. 2010/05/25(火) 10:02:32|
  2. 座学/フィールドワーク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

コメント

大西さん、素晴らしい講評ありがとうございました。
参加できなかったぼくも、場のもつ力や「物語」を追体験できました。
延焼の問題も高齢化の問題も、実はどこでも抱えている問題です。しかし、だからといって「どこでも通用する解決策」があるわけではない、その土地や場をしっかりを見て対話して、そこに関係をつくっていく努力が必要なんだということも実感できました。
また折りに触れてのレポート、お願いいたします。
【渡邉義孝/元スタッフ、@習志野+尾道】
  1. 2010/05/25(火) 11:27:43 |
  2. URL |
  3. 渡邉 #I4t1ZHtI
  4. [ 編集]

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