神楽坂建築塾・塾生ブログ

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6/11フィールドワーク補遺とその後

渡邉義孝です。
今日は雨の中の「神楽坂を歩く」フィールドワーク、お疲れさまでした。
川口通正先生班「神楽坂の現代建築を見る」ルートと渡邉班「縄文・近世・現代の文脈」ルート(勝手に命名)で、無事に街歩きを終えました。

15時から横寺の家(鈴木喜一自邸)で、約20名の新塾生・研究生の参加のもと、川口先生を交えての懇親会が和やかに行われました。
簡単ですが、その時の議論の内容の一部をご報告します。横寺の宴


・赤城神社境内でのお祭りで、雨中なのに子どもたちが多数参加していた。コミュニティが残っている、と実感した。
・歩いていて土、木の匂いを感じた。
・保育の仕事をしている。話の内容は難しくわからない部分もあったが、マンション問題等でただ「残せ」と主張するだけでなく、防災や収益性などさまざまな視点、角度から「攻めていく」という話は、自分の仕事にもあてはまること、と感じられた。
・ヴェンダースの話を聴いた。「センス・オブ・プレイス」が失われていることを嘆いていた。ゲニウス・ロキ(地霊)ともつながる概念だろうか。

【川口氏のコメント】

ひとつのまちに長く住め」ということを強調したい。
住むことが一番の力になる。長く住む人間はいつしか信頼を勝ちえて、悪いことができない。
ところが日本人は「広い家に」「資産価値のために」と簡単に引っ越ししすぎる。子どもも自分の故郷を持ちえず、愛着も沸かず、まちへの責任も感じない。日本人が遊牧民化しているところに大きな問題があると思う。せめて引っ越しするならば一生住む街を選べ!と言いたい。
一方、建築家の仕事とは、そういう「長く住み続けられる家」をつくること。家の耐久性を考えて設計しよう。壊れること自体はかまわない。壊れたパーツを簡単に交換できればいいのだ。それができない家であれば、やがてそれは廃虚になるだろう。

建築家ひとりの力など過信するな。民衆の力こそが大きい。民家はそうして作られたのだから。
奇抜なデザインではなく、「集落形成できる」仕組みを考えよう。それはディテールでも、エアコン室外機を隠すというルールでも、樹木を植えるということでもいい。「特別な職人が特別な技術で」というのではダメだ。町場(まちば)の技術で、誰もが自分の財布の範囲でできること、を提案しよう。
ヴェンダースの話で感じるのは、「場所における秩序」だ。これが急速に失われている。単に経済のせいにしたくない。経済を動かしている個々人の問題であることも想起しよう。

こんな雨の中、熱心にフィールドワークをする皆さんの姿を見て深い感銘を受けた。ここでは建築以外の職種の人が交じっているのがすばらしい。
神楽坂建築塾が建築運動として発展していく上で、これからも関わっていきたい。私のやっている「家づくりの会」とも連携しながら、いろいろな情報発信をしていこう。
以上。

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それから、フィールドワークで出てきた団体、イベント、事象についてリンクを挙げておきます。
参考になさってください。

■国立マンション訴訟の一審東京地裁判決
「国立マンション訴訟を教訓に学ぶべきこと 」
http://sumai.nikkei.co.jp/mansion/twatch/index20060412d3000d3.html

■神楽坂エリアネットワーク「神楽坂へようこそ」
http://www.syoutengai-web.net/kagura/top.html
……ポータル

■神楽坂花柳界のウェブサイト(加盟料亭のメニューも見られる!)
http://www.hana-kagura.net/
……花柳界の歴史も参考に。

■NPO法人 粋なまちづくり倶楽部
http://www.syoutengai-web.net/ikimachi/

■新宿史跡文化財散策マップ
http://www.shinjukuku-kankou.jp/map_index.html
……まちあるきのおさらいにピッタリ!

■神楽坂まち飛びフェスタウェブサイト
http://machitobi.net/
……700メートルのロール紙で「坂にお絵書き」今年は11/3に開催

■光照寺酒井家墓石群43基のナゾ
http://www.machi-shuu.net/w-machi/040808.html#kagura

■開発側の「アインスタワー」の紹介
http://www.towa-fudosan.co.jp/towa_story/thing_list/kagura/index.html

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今日はこのへんで。皆さん、コメントよろしくお願いいたします。
  1. 2006/06/12(月) 01:38:12|
  2. 座学/フィールドワーク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:7

コメント

4期研究生の平野です。

日曜日のFWは川口氏のグループでした。こちらは近代建築(今あるもの)をメインに回ったのですが、建物が神楽坂という街の中で、どのように溶け込んでいるのかと言う視点で、個々の建物についてのコメントがありました。
 神楽坂に通ってずいぶん経ちますが、ずいぶんと色々な要素があるものだと改めて再発見しました。
 川口氏のコメントで印象的だったのが、「フランスでは衣食住を子供のうちから学ばせる」というもの。ここでいっている学ばせると言うのが、学校教育を指していたのかは定かでは無かったが、親が子供に生活に関わることを意識付けさせるという意味だとしたら、なるほどなと感じました。
 「日本人が遊牧民化」と言うのが書いてあったので思い出しました。
  1. 2006/06/12(月) 12:46:27 |
  2. URL |
  3. 四研:平野匡城 #Kee/ycp2
  4. [ 編集]

こんばんは。
八期塾生のわたなべです。
いろんな意味でたのしい週末でありました。
国立のマンション訴訟のときもそーだったんですが、ディベロッパーって自分はそれを壊すようなものを作っていながら「土地のブランド力」をパンフとかでもアピールしたりしてるんですよね。
むずかしくかんがえなくても単純にそれって「ただ乗り」だよなー、と思います。

ところで改めてきちんとレジュメを見てみたら、川口先生って「千住の極限住宅」を設計された方なんですねー!
ブルータスの表紙になったのが印象的で、その昔に山田守のNTT千住→極限住居→大黒湯と散歩したことを思い出しました。
  1. 2006/06/13(火) 00:52:17 |
  2. URL |
  3. 八期塾生 わたなべ #HnprPk0E
  4. [ 編集]

千住の極限住「居」ですね

そうなんです。
http://www.wako-car.co.jp/michimasa/kawa-kyoku.htm
敷地 9.7坪に設計した極限の塔状住宅。
ブルータス1999年12月1日号の表紙を飾る。
~川口通正~
  1. 2006/06/13(火) 01:43:02 |
  2. URL |
  3. 渡邉義孝 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

残念!

皆様雨の中おつかれさまでした。FW終了後仙台に移動しなければならなかったので、鈴木邸での懇親会に参加できなかったのが悔やまれます。
皆さんの議論に参加したかったです。
  1. 2006/06/13(火) 17:26:24 |
  2. URL |
  3. みうら #-
  4. [ 編集]

五期研究生の神谷です。

日曜日の川口班は、現代建築を辿りましたが、街並や地域社会に似つかわしいかどうかは「良いか悪いか分からない」(川口氏談、本人の作品も含めて)多様な建築を見て回りました。現代のありのままの神楽坂を感じることができました。
そして2日が経過してみると、「蕾居」の周囲の景色が頭の片隅にこびりついて離れません。それで少し考えてみました。渡邉さんのスケッチによると以前はむき出しだった建物が、住人の意識の変化からかすっかり庭木の緑に覆われていました。人が住むことによって風景が変化したのだとしたら、なにか「場所の秩序」が育っているかもしれないし、まだ住み続けることによってあの場所にこそふさわしい現代の風景が生まれるような気もします。
  1. 2006/06/14(水) 00:03:33 |
  2. URL |
  3. かみや #Z9HQ/OWE
  4. [ 編集]

場所の秩序

渡邉です。神谷さんのコメント、興味深く読みました。
斉藤裕さんの「舜居」も、「風景になる」のかもしれません。
風土性の対極であり奇抜ではあっても、マスプロされた工業製品やハウスメーカーの家とは違う、真剣さと誠実な手仕事感はあるのですよね。そこらあたりが「時間の検証」に耐えうる要素なのでしょうか……

木々が茂る前の舜居
http://homepage3.nifty.com/w_yoshi/ak/kgr/kgr015.html
こんなところにも発見(左端)
http://www.toto.co.jp/gallerma/ex051201/ph_5.htm

ちょっとずれるかもしれませんが、都市の場所性を考える上で、映画「ヨコハマメリー」はとても示唆に富んでいます。
ぼくたちが神楽坂で目にした「都市再生」が、人間の営為と記憶に対する暴力なのだということを、ラディカルに叫んでいる映画のような気がしました。
  1. 2006/06/14(水) 00:59:58 |
  2. URL |
  3. w_yoshi #SFo5/nok
  4. [ 編集]

2期生のたかはしです

雨の中、神楽坂めぐりは如何でしたか
私は、仕事が朝から入ってしまい参加できなく残念でした
神楽坂は路地で町が構成されているような所です、そこには今私たちが忘れてしまったものがたくさんあります
2004年に「森から住宅を考える」のイベントで神楽坂の路地に縁台を持ち込みました
詳しくは『住宅建築』’04・9月号に載っています
お時間のある方は
http://www.fhplus.net/fh04_pv.html
のアドレスに遊びに来てもらえればちょっこだけでも感じがわかるかも・・・
  1. 2007/06/11(月) 12:54:23 |
  2. URL |
  3. たかはし #zh2wWHvQ
  4. [ 編集]

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